奥村康 Yasushi Okumura
1964年、千葉県生まれ、新潟県育ち。幼少期から釣り好きの父親に連れられて海に親しむ。1987年、ほぼダイビング経験がないまま、中村宏冶氏主宰の日本水中映像株式会社に入社。同社水中カメラマンとして、道頓堀からバイカル湖、北極圏など多様な水環境を撮影。NHK「Wild Life」、BBC「Blue Planet II」などの自然ドキュメンタリー番組や、映画、コマーシャル、展示映像など数多くの撮影を担当。各地のダイバーや研究者の協力を得て、ギンザメの繁殖行動やイワシクジラの摂餌行動など貴重な生態も数多く撮影している。
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奥村さんが愛用してきた歴代のNauticamハウジング
歴代愛用のNauticamは5機種
Nauticamハウジングは、2015年にNA A7を本格的に使い始めて以来、5機種を使っています。新しいカメラへの対応が早く、新機種は細かな改善が行われて使い勝手がよくなっていると感じます。
たとえばバキュームリークセンサー。旧機種では開放バルブが回転式でしたが、プッシュ式に変更されて使い勝手が向上しました。また、以前はしっかりと水洗いしても、使用していくうちに、操作ボタンの戻りが悪くなることがありましたが、スプリングレートの変更かクリアランスの見直しが行われたのでしょう、これも改善されました。
新製品への対応の早さを評価
フルハイビジョンから4Kへ、さらに8Kへ。そして30fpsから60fps、120fpsへと、カメラの機能は次々と向上しています。水中撮影をする上でもそれらの機能を取り入れることが求められます。いち早く対応するためにはなるべく早く機材を手に入れて、カメラ+レンズ+ハウジングというセットとしての癖を把握したいものです。
その意味で、新しいカメラへの対応の早さがNauticamを選ぶ最大の理由と言えます。 発表時には設定のなかったフォーカスギアが後ほど追加されるなど、発売したら終わりとせずに開発を続ける姿勢にも好感を持てます。
使いやすいボタンの割り当てを紹介!
NA GH5では、使用頻度の高い機能を使いやすいボタンに割り当てています。撮影内容により変更はあるのですが、多用する設定を紹介しましょう。
・ファンクション2:V-logLとRec709の切り替え
・ファンクション3:露出補正
・ファンクション4:ISO感度
・十字キーの上:フォーカスエリア選択
・十字キーの右:波形モニター/ベクトルスコープ表示
・十字キーの下:フォーカスエリア拡大
・十字キーの左:ピーキング表示
WORKS
SONY α7系では2台目のNauticamハウジングとなるNA A7IIでしたが、操作系に大きな変更はなくすぐ手に馴染みました。
ミズンの仲間を狙いに来るニタリの撮影では、夜明け直前の薄闇の中でも指探りでファンクションボタンを操作できましたし、大きく移動する群れとニタリを追いかけて長距離を泳ぐときには、コンパクト設計なボディがありがたかったですね。
*画像は撮影された動画からの切り出し静止画
・ハウジング:NA A7II
・カメラ:SONY α7RII
・レンズ:SONY FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS
動きの速い生き物の場合、フレームレート30fps(注)収録ではパラツキ感が強く出てしまいます。アユなど淡水魚の撮影も60fpsで収録したいと思っていましたが、川の撮影ではアプローチで崖を降りることもしばしばあり、放送用カメラを入れた50kgのハウジングを使用するのは困難でした。当時、カメラ内部で4K60fps収録できる一眼レフはEOS-1DX Mark IIしかなく、対応ハウジング(NA 1DXMKII)を一番早くリリースしたのがNauticamだったのではないでしょうか。
*画像は撮影された動画からの切り出し静止画
注:fps=1秒間あたりに何枚の静止画で構成されている動画なのかを表す単位
・ハウジング:NA 1DXMKII
・カメラ:Canon EOS-1DX Mark II
・レンズ:Canon EF100mm F2.8L マクロIS USM
ハウジング操作に気を取られたり、グリップに力を入れた瞬間、レンズ前の生き物に逃げられることがあります。逆に身体から力が抜け、余計なことを考えていないときはすんなりと近寄れたりします。
NA GH5はカメラの操作系すべてにアクセスできるので、指が届きやすいボタンに使用頻度の高い機能を割り振ればストレスなく撮影できます。
このときのマダラトビエイもどこかで逸れるかと思いましたが、どんどん近付いて来て顔にある感覚器官まで確認することができました。
*画像は撮影された動画からの切り出し静止画
・ハウジング: NA GH5 (現行機種名は NA GH5SV)
・カメラ:Panasonic Lumix GH5S
・レンズ:LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH
撮影をしていると途中でファインダーが見辛くなることがあります。NAスーパービューファインダー180IIは、接眼する位置や角度に厳密さを要求されるものの、水中で視度調整できるのでこのようなときに助かります。
撮影を終えて帰港途中に、シワハイルカの小さな群れに遭遇しました。すでに陽は傾いており逆光では見難い状況でしたが、SONY α7SIIIの優秀なビューファインダーと相まって、僕の周りを泳ぎ回るシワハイルカをクリアに捉え続けることができました。
*画像は撮影された動画からの切り出し静止画
(映像提供:株式会社シーバルーン)
・ハウジング:NA A7SIII
・カメラ:SONY α7SIII
・レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM
MATERIALS
奥村康さん愛用Nauticam
NA GH5 for Panasonic Lumix GH5S
ハウジング | 10452 | NA GH5SV |
20683 | NA 180ガラスドームポート | |
20701 | NA E/120マウントコンバーター55MF | |
20284 | NA エクステンションリング10 | |
オプション | 21009 | NA スーパービューファインダー180 IIM |
20871 | NA バキュームバルブII M14 |
*レンズは、LEICA DG VARIO-ELMARIT
*45mm(LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8ASPH.)撮影時は、NA E45フラットポートを使用
NA A7SIII for SONY α7SIII
ハウジング | 10490 | NA A7SIII |
ポート | 20683 | NA 180ガラスドームポート |
21155 | NA A/120マウントコンバーター35.5MFII | |
20226 | NA エクステンションリング60 | |
オプション | 21007 | NA スーパービューファインダー180II |
20871 | NA バキュームバルブII M14 |
*レンズは、SONY FE 24-70mm F2.8 GM
*マクロ(FE 90mm F2.8 Macro G OSS)撮影時は、NA E 105Aマクロポートを使用
その他
レンズ | 20618 | NA スーパーマクロコンバージョンレンズ SMC-1 |
20992 | NA スーパーマクロコンバージョンレンズ SMC-2 | |
20803 | NA ワイドコンバージョンレンズ WWL-1 |